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クレジットカード利用時の本人確認方法 ー署名の廃止へ

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クレジットカード利用時の本人確認方法 ー署名の廃止へ

クレジットカード利用時の本人確認方法 ー署名の廃止へ

2025/01/25

 2025年の3月一杯で、クレジットカードを利用するときに伝票に署名をするという方法で本人確認をすることがなくなるのだそうです。

 考えてみれば伝票に利用者に署名をしてもらって、クレジットカードの裏面に予めされていた署名とを照合して、カードの利用者がカード会員であるかどうかを確認するというのは、完全なアナログで、何事もデジタル化される現在にあって時代遅れの本人確認方法ということなのでしょう。

 しかしいくらアナログでも署名の筆跡の照合という本人確認は捨てがたいと思うのですがね。偽造カード対策としてならばクレジットカードについてセキュリティを高めた精巧なカードに改良していけば署名など不要といってよいと思いますが、盗難カードによる不正な利用を防ぐには十分でないように思います。4桁のパスワードが何らかの形で漏れることはあり得るからです。実際、クレジットカードが何者かに抜き取られて利用されたが、なぜパスワードが知られてしまったのか分からないというケースをよく聞くのです。カード会社の立場からは、特段の事情もないのにパスワードが第三者に知られるはずはない、もし知られるようなことがあるとすれば、それは会員の生年月日とか携帯電話番号等、身近に使っている数字をパスワードにしたからであろうというわけですが、必ずしもそれに限らないようなのです。パスワードが適切に管理されている限り、第三者に知られるはずはないという前提は見直す必要はないのでしょうか。

 この点、署名の照合であれば、もちろん似通った筆跡で署名されると判断できないという限度はあるにせよ、意外に第三者がカードを利用しようとしていることは分かるのです。自分の名前の漢字を間違う人はいないと思いますが、完全に違う漢字を書いてしまったりすることもありますし、とっさについ、本当の自分の名前を書きかけてしまったりというミスをすることもあるのです。また男性が女性のクレジットカードを利用しようとしたりすること(もちろんその逆も)もすぐに分かります。何でもデジタル万能、アナログは時代遅れというわけでもないはずです。

 もっとも、クレジットカード利用時の本人確認方法で署名を求めないというのは、クレジットカードを扱う店のスタッフの方にとっては朗報といえますね。チェックが甘くて、誰が見ても全く筆跡が異なっているようなとき、店側の確認が不適切であったなどと指摘されて、カード会社からカードの売上金の支払が拒否されるようえことはなくなるはずです。

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