池袋中央法律事務所

財産分与における特有財産

お問い合わせはこちら

預貯金の財産分与において特有財産として認められるためには。

預貯金の財産分与において特有財産として認められるためには。

2025/03/19

預貯金の財産分与と特有財産

婚姻当時の預貯金残高が特有財産として認められるためには。


 離婚するに際しては、預貯金についても財産分与の対象となることはいうまでもありません。

 ところがご結婚の当時から一定の預貯金を有していた場合、それは婚姻生活と関係なく元々所有していた預貯金なのだから、財産分与の対象とはならず財産分与の対象となるのはご結婚当時の預貯金残高から更に増えた場合の増加分のみであると主張されることがあります。例えばご結婚当時から、預貯金を200万有していたとき、ご結婚後、独身の時よりも生活費が多く必要になったため、離婚時には預貯金が50万円まで減額してしまったというときには、その預金は財産分与の対象とはならないのではないか、あるいはまた離婚時に預貯金が500万円になっていたとして、もともと200万円分は特有財産となるのであって財産分与の対象となるのは300万円だけなのではないかというように主張されることがあるのです。

 しかし、家庭裁判所においてはこのような主張が認められることはまずありません。原則としてご結婚当時の預貯金の残高とは無関係に離婚当時の預貯金残高(正確にいうと、離婚を視野に入れての別居生活が始まった時点の預貯金残高)がそのまま財産分与の対象とされるのです。

 なぜかというと、ダムに貯水されている水を考えるとよいかと思います。ダムから排出される水もあれば、新たに上流から流入して貯水される水もあります。そうすると、仮にある二つの時点において貯水量としては同じであっても、ダムに貯まっている水は全部入れ替わっているのかも知れません。貯水量としては同じであっても、前の時点に貯水されていた水がそのまま後の時点において貯水されているということはできません。預貯金残高もこれと同じなのです。銀行口座が出入金を繰り返していたとすれば、ご結婚当時にあった預貯金が離婚時においてもそのまま存在すると考えることはできないのです。

 同じような考え方は、ご結婚当時から存在していた預金残高のみではなく、ご結婚生活中に、親から相続して取得した遺産を、日常的に出入金を繰り返している銀行口座に入金したようなときでも、そのまま当てはまります。本来、自分の親などから相続した遺産については、もちろん特有財産として考えられるのであって、財産分与の対象とはなりません。しかし一度、それを日常的に脂油津に遊金を繰り返している銀行口座に入金してしまうと、その遺産が離婚時にそのまま残っていると考えることはできないとされてしまい、離婚時の財産分与の対象に含まれてしまうのです。

 このように考えると、預貯金について特有財産として認められるのはどのような場合であるのかが自ずとおわかりかと思います。つまり、払戻しなどがされることはあっても新たに入金がされることがないままの預金口座であったり、御結婚時からそのまま存在していた定期預金口座についてが特有財産として認められ、財産分与の対象から除外されることになるのです。ご結婚生活の途上において、相続などで得た特有財産についても、それだけが区別できるように定期預金などで管理していなければならないのです。

 ということは、ご結婚するに際して一定程度の預金をお持ちの場合は、その銀行預金口座を婚姻生活においてそのまま利用するのではなく、新規に新たに預金口座を作って活用するようにするべきなのです。もちろん離婚問題が浮上することなく幸せな生活が続くならばどうでもよいことなのですが。。

 

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。